キャンパスライフ応援塾

大学をフル活用したい学生さんのための元大学教員のブログです。授業・講義・研究・就活・留学・学生生活などの悩み解決、効果的な戦略、サバイバル術などを発信します!

3)履修科目の選び方のコツは「顧客目線のショッピング」

学期はじめ分厚い履修科目リストと履修曜日が載った本が渡され、「さて、どれを履修しようか?」とワクワク感を通り越して、ストレスを感じる時期です。1週間のスケジュール表をのぞき込んで、空いたコマに適当に授業を放り込むことだけは避けたいものです。おすすめの履修科目の選び方はこれです。

 

顧客目線で履修科目をショッピングすること!!!

 

つまり、履修科目は価格や価値、内容が違う商品で、履修ブックは商品リストと考えることがコツです。自分が持っている時間や労力、興味と照らし合わせて、無理のない「授業という商品」をショッピングする感じです。後で、レポートが重なって徹夜が続いたり、講義ばかりで疲れたり、出席重視科目ばかりで手抜きができなかったり、といった後悔をしないために、履修科目のショッピングには気合と時間をかけましょう!

 後悔しない履修科目の選び方のコツ

 

①必修科目から埋める

その時期に絶対に履修しなければならない語学の授業やゼミなどは、買わなければならない商品なので、どんなに他に取りたい授業と重なっても、必修科目は最優先、と考えた方が無難です。

②安くはない、それでも買いたい商品を探す

安くはない商品とは、課題が多い、評価が厳しい、人気があって抽選や選考がある、出席重視、授業内容自体が興味があるが難しい、課外活動がある、など時間と労力がかかる授業のことです。それにも関わらずぜひ受けたい授業!があれば、それはぜひ履修すべき授業だと思います。買い!です

自分にとって高い商品価値のある授業はどうやって探すのか、それは先輩の話、ネット、非公式本などの情報や、自分が興味ある分野のゼミを担当している教員の授業などをまずは探ってみることです。なるべく多くの先輩の話に耳を傾けてみてください。ネットなども冷静な分析をしている投稿などは参考になるかもしれません。一方的な悪口は個人的な感情を盛っているだけの可能性が大です。また私の勤めていた大学では500円程度で授業情報の裏本がキャンパス近くの書店で販売されていました。これもある程度は参考になるかもしれません。私は自分の授業がどう評価されているのが知りたくなかったのでこの裏本は読まなかったのですが、ある時学生さんが持ってきて見せてくれました。「授業に出れば単位は来る」と書いてありました。なるほど、正解!

③曜日でメリハリをつける

毎日同じように忙しくなるスケジュールにすると、他の趣味などにまとまった時間を使いにくくなります。この曜日は午前(午後)だけの日、他のキャンパスで授業を受ける日、超がんばる日、フリーの日、などメリハリをつけることをお勧めします。たまに、週5で毎日4コマ、などというツワモノを発見しますが、何か月かある学期中に息切れするときがきっとあります。暇な日も必要です。

④「楽勝科目!」で手抜きする

どの大学にも「楽勝科目(授業)」とささやかれる授業があります。これも非常にありがたい授業なのです。履修した授業すべてに頑張ることはおそらく不可能なので、こうした「楽勝科目」の力を借りて手抜きしましょう。楽勝科目の例は次の通りです。

  • 100万人のA・・・評価が非常に優しいとうわさされる授業(教員)
  • 過去問配布・・・過去数年間、試験内容が変わっておらず、それが手に入る授業
  • 出席確認なくレポートのみ・・・一度も出席しなくても教員の著書などを読んでレポートを書けば成績が来る授業
  • 持ち込み可・・・テストにノートや辞書などの持ち込みが可となっている授業

個人的に一つ言いたいことがあります。テスト前になると真面目な学生さんの周りに突然現れる「偽物友人」がいて、「授業ノート見せてもらえる?」と調子の良いことを言います。真面目な学生さんは「ダメ」と言えずにストレスを貯めてしまします。この手の「手抜き」は好きではありません。あらかじめ友人と「授業ノートをお互いに交換する」など約束がある場合以外は、人の努力の蜜を吸うことはあきらめましょう。その代わり、教員の著書は使えます。授業よりも内容が分かりやすい場合すらあります。(あ、先生が授業で言っていたことはこのことだ、と本を読んで理解するケース)この著書の内容についてレポートを作成すれば、授業を受けたようなレポートを作成することも可能です。しかも実力もつきます。

⑤期末の忙しさを分散させる

意外に、後で後悔するケースが「期末試験期間」に怒涛のようにレポートとテストが訪れて、徹夜でボロボロ、というものです。小テストや中間テストがない授業の場合、期末一本の重い課題があります。こんな授業ばかりを履修せず、期末課題が軽めの授業もバランスよく買っておきましょう!

⑥間違って買った商品(授業)は返品する

買った商品が思ったものと違った場合は返品することができます。授業も同じです。しかも、最初の2週間ぐらいは記録に残らず履修をやめることができますアメリカの大学では最初の2週間ぐらいの「ショッピング期間(Drop and Add Period)」に同じ時間帯の異なる授業に前半後半でそれぞれ参加して、気に入った方を履修することもよくあります。日本ではまだ堂々とこんなことはしにくい雰囲気がありますが、難しすぎたな、想像と違うな、と思えば履修をキャンセルし、他の授業を履修すれば問題ありません。数か月続く学期のホンのはじめの1,2回のバタバタは大したことではありません。

そういえば、アメリカ留学中に初回30人ぐらいの学生がいた授業に、2回目に行ってみると学生が3人になっていたことがありました。高齢な文化人類学者の教授が「なんでだと思う?」と不思議そうに質問してくるので分からないふりをしましたが、私もその回でやめました!文化人類学といっても原始社会に近い形のテーマを扱っているのが古すぎる!なんて口が裂けても言えませんでしたが、やめた学生はそう感じていたようです。教員としては恐怖ですよね。。。そして誰もいなくなったんですから。

⑦GPA(成績)を意識して組み立てる

とくに留学や大学院を考えている人は大学の成績評価(GPA)を甘くみると、大学4年になって後悔します。大学4年間のすべての履修授業の成績の平均を数値化したものを、留学や大学院入試の基準にしたりします。大学3,4年の専門科目のみの成績の平均のみ重視されることもあります。就職活動で成績を聞かれることも多々あります。成績が悪いより良いにこしたことありません。余談ですが、私の知人は就職面接で「君、成績悪いね」とイジメられたそうですが、それで秘書職としての対応力をみられたらしい、と言っていました。

GPAを意識して授業を組み立てる、とは「Aを取りやすい授業を探して積極的にとる必要もある」ということです。頑張っても評価が厳しい授業もあるので、そればかり履修して、実力はついたが成績がイマイチでは残念です。ここは、評価が甘い授業を買いに行くしたたかさが、大学時代には必要なんだと思います。私もすごく頑張って履修した授業でC評価が来たときは茫然としましたが、一度も出席しないでレポートだけ書いてA評価だった授業に救われました。不思議なことに、のちに教員になったときに、このC評価の授業の教授から仕事の話をもらいました。もちろん、「私、C評価だった学生ですよ!」とは言いませんでした。言えませんでした。

⑧学務課などで第三者チェックを入れる

なんのこと?と思われがちですが、とくに卒業を控えた最終学年の履修時は、自分で履修科目を決めた後、学務課やアカデミックオフィスなど履修を扱う部署の職員さんに、「これでわたしは大学を卒業できますか?」と第三者チェックをしてもらいましょう。恥ずかしいと感じる学生さんもいるかもしれませんが、体育実技や専門1科目の抜け落ちで泣く学生さんが必ずいるのです。卒業に必要な単位に満たないと、せっかく決まった就職内定も取り消されます。泣くに泣けません。履修単位システムは結構複雑です。チェックしてもらった後は、もしも単位を落としても大丈夫なように、余力があれば補欠単位授業も履修しておきましょう。すべてはセイフティーネットです。危機管理です。

 

履修時期は慎重に色々な角度から戦略をもって、顧客目線でショッピングしてみてください!