2)大学生活を楽しむとは「ひとりを楽しむ」こと!
私は、大学入学日=独立記念日と考えています。自己責任の中での自由を堪能して、自分の人生をおう歌できるスタートラインだからです。そのためには、まず「基本ひとり」というメッセージを心と体にしみこませることが大事です。
「基本ひとり」を心と体にしみこませる!
この「基本ひとり」という大前提を忘れてしまうと、大学をフル活用できない、とぜひ肝に銘じてください。
「基本ひとり」でなくてはならない理由
大学をフル活用するには一人で自由に動くことが不可欠です。広いキャンパスを、次の授業に向けて大移動しなければならない毎日です。スケジュールが詰まっています。当然、一人ひとりのスケジュール(履修科目)も違います。優雅に戯れて歩いている時間はありません。「さ、次々!」と離れた建物に向けてダッシュです。
大学をフル活用している学生さんがキャンパスでしていることの3本柱は:
- どこかに移動している
- どこかで授業を受けている
- どこかで読書(勉強)している
その隙間に、だれかと交流しているのです。大学生としての勉学に忙しいのです。「基本ひとり」でなくては、こんなに自由に動けないのです。だから、ひとりは大切です。
アメリカのキャンパスでは「基本ひとり」学生ばかり
私は2度ほどアメリカの大学院に留学しました。その時に実感したことは、「アメリカのキャンパスでは、本当にみんなひとりで忙しそうだ」ということです。
端から端まで自転車で30分ぐらいかかるような広大なキャンパスでは、学生さんたちはほとんどが自転車移動です。(キックボードやローラーブレードなんて学生もいたな。)キャンパス内を循環するシャトルバスなんてのもありましたが、ほとんどがシニアの方々の利用でした。
授業が行われる建物に向けて自転車で猛ダッシュ、建物前に必ず設置されている自転車置き場に自転車を置いて、階段を駆け上がって授業に行くのです。知人に会ってもお互いに忙しいので、「ハーイ!」と短く挨拶程度。ランチタイムも授業はあるので、バナナとかサンドイッチとかを教室で食べながら授業を受けている学生さんも多いのです。
授業がない時間は、ライブラリーや芝生広場、コーヒーショップなどお気に入りの場所で「基本ひとり」で勉強です。ただ、国民性なのでしょうが、ひとりで勉強していてもすぐに周りの人が話しかけてきてくれたりするので、交流の場は結構ありました。「あ、その教科書は教育学科の?この間ニュースでうちの大学の教育学科のN教授が紹介されてたよね」「ちょっとトイレに行きたいから、その間、僕のコンピューター見ておいてくれる?」などなど。
私はだんだん気づかされました。「そうか、常に一緒にいる友人を求めている人は、ほとんどいないんだ。」と。じゃあ、どこで友人になるのかというと、夜のパーティーに繰り出すんですね。「基本ひとりタイム」のオフとオンがしっかりあるんですね。だからパーティーピーポーでない私ですが、誘われた夜のパーティーには割合顔を出すようにしました。そうしないと、ずっとひとり!だったりするのです。
「基本ひとり」を習得しないと寂しいキャンパスライフに
キャンパスライフは本来、精神的に独立した大人の学生が集う場所としてあります。だから、高校までの「教室」のイメージを払拭しなければならないのです。
大学のキャンパス≠高校の教室
今すぐにテレビドラマや漫画に出てくるような「素敵な仲間との充実した学園ドラマ」や「青春カラーのサークル友情ストーリー」や、「キャンパスを舞台にしたラブストーリー」のイメージを捨て去りましょう!そして、「颯爽とひとりでキャンパスを闊歩する充実したわたし」のイメージを色濃く描きましょう!!
わたしがここで言いたいのは、素敵な学園ドラマの否定ではなく、「それが大学だと思っていて、実際の日常に焦りを感じて孤独になる学生さんが少なからずいる」という現実なのです。
- 「大学で友達ができないんです。高校までは友人に恵まれてたんす。」という悩みをよく耳にしました。→当然です!だって、大学は「友達づくりの場所ではない」のですから。
- 「ひとりが嫌なんじゃないんです。みんなが仲間うちで楽しそうに騒いでいる横でひとりでいる自分が恥ずかしいんです。」→ひとりでいることは「独立した大人」のイメージを醸し出しているんです。かっこいいんです、大学では。きゃぴきゃぴしているお隣さんのクールなわたし、最高じゃないですか。
- 「ひとりでランチをするのが寂しいんです。」→「便所飯」なんて寂しい言葉がありました。本でも読んでランチをする、これは大学ではよく見かける光景です。本当に寂しいと感じる人は、時間をずらしてカフェテリアに行ったり、キャンパスから離れたところにランチに行ったりしてみるのも一つの手かもしれませんが、そのうち慣れます。4年間もあるんですから。
漠然とした孤独感、これを解決するのは「基本ひとり」を心と体にしみこませること!だと私は信じています。「基本ひとり」になったことで、「充実したスケジュール」という素敵な贈り物がついてきます。